痛みと関節運動学的アプローチ AKA-博田法

 関節運動学アプローチ(AKA)-博田法-とは、関節の中で起こる関節面の滑りの障害を治療する方法で、関節運動学に基づいて1979年から約20年かけて、博田節夫先生によって開発され、現在なお改良が加えられています。
 この方法は本来、関節拘縮(硬く動きの悪い関節)の治療のために開発されたものですが、その研究過程で痛みやしびれに著しい効果を示すことが分かり、今では痛みの治療法として有名です。
 従来、痛みは神経の刺激によると考えられていましたが、AKAの研究から神経の痛みは非常にまれで、殆どは関節に原因があることが解ってきました。
 痛みは仙腸関節(骨盤の後ろの関節)、椎間関節(頚から腰までの背骨の関節)、肋椎関節(背骨と肋骨の間)、胸肋関節(胸骨と肋軟骨の間)、足首から足指の間の関節など外から動きを見ることができない関節に起こります。仙腸関節、背骨や肋骨の関節の痛みは遠く手足に放散します。しびれも痛みと同じ領域に起こります。

痛みの原因としては、次の3つがあります。

関節機能異常

関節面の滑りが悪くなったもので、1〜2回のAKAにより3週間以内に治ります。仙腸関節に最も多く、次いで肋椎関節、椎間関節、足の関節などに起こりやすいものです。

単純性関節炎
仙腸関節に起こりやすく、激しい腰痛が発生します。下肢の痛みやしびれ、頚部の痛みなどを伴うことがあります。月1回のAKAで2〜3ヶ月で治癒します
関節炎特殊型
とくに仙腸関節に起こる関節炎の特殊なもので、腰痛だけのこともあるが、全身のいろいろな部位の痛みやしびれを伴なうことがあります。月1〜2回のAKAで主として2〜3ヶ月、時に6ヶ月以上かけて改善しますが、再発を繰り返します。このタイプのものは体質的に関節が弱いと考えられ、ごく少数のものは現在のAKA技術で改善しないことがあります。

痛みの部位別に見ると、次のようになります。

腰痛、下肢痛
腰痛は下肢の痛みを伴うものと、伴わないものがあります。下肢の痛みやしびれがあると坐骨神経痛、椎間板ヘルニアなどといわれますが、実際には90%以上がそのどちらでもありません。X線やMRIなどで椎間板ヘルニアがあっても痛みと関係なく、痛みの原因は殆ど仙腸関節の関節炎か機能異常です。変形性腰椎症、腰椎分離症、すべり症も痛みを起こすことはまずありません。脊椎管狭窄症も非常にまれなものです。
ぎっくり腰
ぎっくり腰は仙腸関節の捻挫で、仙骨がねじれた位置でひっかかった状態にあります。AKAでひっかかりを取り除くと、痛みは直ちに減少し、約1週間で治ります。なお、まれに椎間板ヘルニアを起こすことがあり、老人では骨折の時もあります。
頸痛、上肢痛
頚部痛やこれに上肢の痛み、しびれを伴った頸肩腕症候群といわれるものが殆どAKAで治ります。その原因は仙腸関節に加え、肋椎関節、胸椎椎間関節、頚椎椎間関節などの機能異常か炎症です。とくに仙腸関節炎特殊形は頸腕症状を起こす頻度が高くなります。MRIなどで頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアがあっても痛みやしびれの原因になることは非常にまれです。胸郭出口症候群も極めてまれな疾患です。
背中、胸のいたみ
背中や胸の痛みで背筋痛や肋間神経痛などといわれるものの多くはAKAで治ります。原因は主に仙腸関節、椎間関節、肋骨の関節の機能異常あるいは炎症です。
変形性関節症
変形性関節症は膝関節や股関節に多く見られます。これらの痛みも仙腸関節炎特殊形によることが多く、AKAで治療すれば改善しますが、再発を繰り返します。
その他
骨折、捻挫、打撲肉離れなどの外傷後に痛みが消えないものは殆どAKAで治ります。肩凝りの原因は仙腸関節、第1肋椎関節などの機能異常または炎症で、AKAが有効です。仙腸関節炎特殊形によるものは再発します。五十肩は仙腸関節や第1肋椎関節機能異常が関係し、AKAで痛みは著しく減少します。肩の動きは自然に回復しますが、無理に運動すると悪化します。

※風邪引きの時、生理中、生理直前は避けて下さい。



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